居酒屋まるめ

表題はあれですけど居酒屋のことは基本書かないと思います。好きな音楽・本・映画、服・靴・時計・小物etcについてお気楽に…

時計の売り方

EX1を売ったおよそ一週間後の日曜日、もう一本のサブデイトも売ってきた。EX1といっしょに2010年4月に、並行輸入の新品を¥470,400-で購入し、今回¥528,500-で売却した。2本で¥814,800-の時計を¥911,200-で売ったので、6年間、平均利回り1.97%で運用した、ということになる。最低100万、できれば120万にはしたかったよねー。

 

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付属品は残らずとっておこう。

 

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そこそこ美品のつもりではあったが…

 

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11時? 部分の風防に画像には映らない程度のクラックがあったり、EX1に続いて風防ダメージを指摘され減点。なんでも風防がノーダメなら、査定額が4万は違うらしい。

 

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外箱・中箱も、できるだけ損傷なく保管しておきたい。

 

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移動中のダメージを避けるため、風呂敷に厳重に包み運搬する。なお、風呂敷はキンミヤ焼酎のもの。*1

 

以上レポっす。あとはヨタ話。

 

 

意識高いロレユーザの一部は、「5年で必ずオーバーホール!」とか言ってるわけだが*2、ちょっとでも売る気があるのなら、オーバーホールは調子が悪くなるまでしない方がいいと思う。今回、去年あたりにOHに出していたとして、それで5、6万掛かって、査定額が5、6万円アップ! とはならないと思うのだ。OH出せば研磨されて新品同様にはなるけど、その分ボディーは痩せてしまうわけだし。

 

にしてもまぁ…、2本のスポロレを隔日でとっかえひっかえの生活を6年続けて、それをやめることにしたのだから、実に複雑な気分である。ジョージ・ルーカス御大が、SWの続編作成権をディズニーに売っ払った際のインタヴューの内容にグッときたのだが、今の俺の心境も大体そんな感じである。ちと長くなるが引用する。

 

 

(前略)「だけど、彼らが作りたかったのは、レトロ映画だった。でも、僕はそれは作りたくなかったんだ。というのも、僕はこれまでの映画を、すべてを違う作品にしようと一生懸命頑張ったから。それぞれ違うプラネットを舞台にしたし、違うスペースシップを登場させたし、何かを必ず新しくしようとした」


「だけど、彼らは僕の書いたものは使わないと決定し、自分達で作ることにした。だから、僕は『分かったよ』と言ったんだ。元々彼らは、僕に関わって欲しいとは思っていなかったからね。僕が少しでも関われば、間違いなく問題を起こすことが自分でも分かっていた。彼らは僕が作りたいものを作らないわけだから。それをコントロールする力も僕はもう持っていないわけだし。だから、僕は去って、彼らに好きな作品を作ってもらうことにしたんだ。それで、そこからは、人生における、非常にシンプルな決まりを守るようにした。人と別れた時は、ルール1、電話はもうしない。ルール2は、家の前まで車で行って、何をしているのかのぞいたりしない。ルール3、その人がいる近所のコーヒー屋さんに突然現れたりしない。そんなことをしないで、きっぱり忘れて、前進するということ。そんなことをすれば、傷を再び開けるようなもので、自分にとってもより辛いことになるだけだから。だから、それを忘れなくてはいけない。だけどそれは、本当に本当に本当に本当に難しいことだった。


でも、ここで試合は終わりだ。前進しなくてはいけない、と言い聞かせるしかなかった。だけど、自分の体のすべてが、『そんなことしてはいけない。できない』って言うんだよね。だって、僕の子供だからね。それを愛しているし、僕が作ったんだし……。だけど、僕は子供達を売ってしまったんだ。奴隷(売春)としてね」(後略)

 ジョージ・ルーカス、ディズニーに謝罪+新『スター・ウォーズ』の「レトロ」な方向性への複雑な心境を語る映像。 - 中村明美の「ニューヨーク通信」 (2016/01/03)| ブログ | RO69(アールオーロック) - ロッキング・オンの音楽情報サイト

 

EX1もサブデイトも、好きで好きで好きでたまらない時計ではあったのだが、結局俺が本当に欲しかったのはEX1では1016であり、サブデイトで言えば16800フチなし*3だったのだなーと。代替品をあてがわれてる感はいずれ消えるのではと期待していたのだが、最後まで払拭することはできなかった。じゃあなんで最初からアンティーク行かねえの? というのは当然の疑問だと思うが、実用時計として、日差や防水性等に不安を持ちたくなかったし、状態のいいアンティークは、2010年当時でも、ちょっと俺が手を出せる価格ではなかったように思う。

 

2010年。

 

当時は民主党政権下で、子供手当について盛んに喧伝されていた。俺は奥さんも子供もいないので、子供手当を貰える層と収入格差が生じることが危惧された。

 

会社で月1万だか*4の、あんまり同世代はやっていない積立があって、それを解約することにした。たしか100万前後の払い戻しがあったように思う。

 

当時の俺の職場は、わりと機械式時計ユーザが少なくなく、小規模なギャングスタ・ラップ界のような様相を呈しており*5、俺も「G-SHOCKしか持ってない自称時計好き」*6の汚名を返上しようと、ロレの1本も買ってやろうと思ったのである。

 

その年3月のバーゼルで、EX1とサブデイトのモデルチェンジが発表され、両者ともにサイズアップされることがわかった。個人的にデカ厚時計にはあまり食指が動かない。

おそらく今回旧型となる、EX1・114270とサブデイト・16610は将来的に価格が上昇するものと思われた。ゼロ年代初頭は、店頭に新品が並んでいることさえ珍しかった両者は、2008年のリーマン・ショックを受けて底値とも思える価格をつけていた。

 

EX1のエントリーでも書いた通り、ちょうどこよなく愛するもつ焼き屋さんに通い始めて1年を迎えていた。記念日を祝っちゃうカップル的でイタいのだが、これを口実にEX1かサブデイトのどちらかを買おうと新宿に向かったのは2010年4月のことである。

 

最終的に新宿のコメ兵で買うことにしたのは、前年に会社の先輩がロレを買うのにアテンドした際に一日中都心を廻って最後にここに落ち着いたのと、あと俺が新宿という街に帰属意識を持っているからである。

 

どちらか、のつもりだったのだが、数十分商品を前にして逡巡しても、結局ひとつを選ぶことはできなかった。迷ったら両方買うのが俺なのである。飲食店に関しては愚直なまでの一途さを発揮する俺だが、時計に関してはとんでもない浮気性なのである。

 

雑誌や時計屋さんのサイトなんかでは、「買った時計を見ると気分アガるっすよ」とか書いてあるものだが、俺に関して言えば全くそんなことはなかった。どっちもかっこいい時計だとは思うのだか、ものすごくぶっちゃけて言うと、左腕の時計に目をやり、それについて考えると、本当にそれらに憧れていたもっと若かった頃にそれらが手に入らなかったことが思い起こされるのである。それはみじめさ、と言ってもいいかもしれない。

 

もちろん、買ってよかったこともある。今回こうして10万弱のゲインがあったわけだし、飲み屋さんとかで面識のない方と「いやーいい時計されてますねー」「いやいやそちらこそ」とか何度もキャッキャウフフしたことも楽しかった。でももうそれも終わりだ。

 

最近ルンバやiPad Pro 9.7などを立て続けに買って、銀行口座が壊滅的な状況に陥り、それも今回2本の時計を売ることになった理由のひとつなのだが、ロレではルンバやiPadほど萌えないのである。

 

でもやっぱり俺が売ったサブデイトちゃんやEX1ちゃんは、今度はすてきなご主人様に巡り合って幸せな余生を送ってほしいと俺は心で泣きながら祈るのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもね、でもね、僕ね、今度はこれ買おうと思うの。アホロレがいつまで経っても導入しない裏スケだし! 耐磁性能ズバ抜けてるから、クソロレといっしょに使えなかったマグネット開閉のバッグも使えるし! 早ければ今度のボーナスで買っちゃおうと思うの!

 

 

 

 

人間は判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する――とは、アルマン・サラクルーの名言だというが、全く俺の愚かさは度し難い、というところである。

 

 

*1:自慢

*2:主に価格ナントカの掲示板で。黄色い帽子の子供のキチガイ率は異常

*3:シード最終型にしてたら売ってなかったかも…

*4:ボーナス時3万

*5:今はもうみんなよその営業所に行っちゃいました

*6:アテッサも1本持ってました